大企業からベンチャー企業へ転職して驚いた3つのこと

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私は超がつく程の大企業から、社員が数十人のベンチャー企業へ転職して飛び込んでいきました。大企業は100年以上の歴史を持っていた企業でしたが、転職先は設立から数年。年老いた環境から赤ちゃんのような組織への転換で、それはもうベンジャミン・バトンのような数奇な社会人人生です。

転職後は想像を超えるような違いがいくつもありました。ベンチャー企業の特異性に驚きつつも、大企業は大企業で特殊な環境でありそれに染まっていたことを思い知らされました。

ベンチャーへの転職後さまざまな違いの中でも特に驚愕したポイントを3つ紹介したいと思います。

1つ目の驚き:フラットさ

大企業時代は歴史ある伝統的日本企業だったこともありかなりの年功序列型組織で下。管理職の中でも部長やその下の役職(次長、室長など)レベルまでは基本的に年齢順です。それ以上のポジションで徐々に年次が逆転するケースも出てきますが、どちらかといえば稀なケースです。また組織文化としても年次が上の人を敬う文化が強く、完全なる縦社会です。私が新卒で入社した時の上司から「この会社では年次が全てだから気をつけろよ」と言われたことを覚えています。上の人間の言うことが絶対であり、下の人間から上の人間にはなかなか物申しずらい空気があります。

ベンチャーでは基本的に成果主義型組織です。年下の上司、年上の部下なんてのは珍しくありません。私も多くの年下の部下を持っていますが、それ自体は普通なので問題にはなりません。能力や経験から結果的に年齢が上の人が役職に就きやすいことはありますが、新卒2-3年目でリーダーやマネージャーなどのポジションに抜擢されるケースもあります。大企業では考えられない人事です。

そして文化的にもいわゆる風通しの良い雰囲気であり、年齢や役職関係なく言い合う環境です。大学生のインターンや入社数年目の若手がしっかりと上の人間に意見をぶつけている光景に初めは驚きました。

またフラットであることからベンチャーでは早いうちから仕事をオーナーとして任されることが多いです。その為、自らの仕事に責任を持つ経験を早くからすることができます。ベンチャーでは当事者意識、オーナーシップが重視される傾向にあります。

2つ目の驚き:速さ

意思決定や行動などあらゆる点で速度が違いました。

大企業での大きな(予算や影響範囲)意思決定は非常に長く多くの人が関わる決定プロセスがあります。会議のための会議などもあり、物によっては数ヶ月かかる場合もあります。

ベンチャー企業の意思決定は経営者の最終決定含め、大企業に比べると本当に一瞬で終わることに驚きました。稟議などの意思決定でもSlack(スラック)という社内チャットツールのチャット上で完結します。決定のための資料もものによりますが、チャット本文のみと言うケースもありました。現場での意思決定もその場その場でどんどん決めて進めていき、ダメになったら修正をしてとにかく早く前に進む文化です。

また、新入社員や中途社員として新しく組織に入る場合でも、速さは大きく違います。例えば大企業では新人研修が数週間から長くて半年以上になるケースもあります。ベンチャーでは十分な研修やインプットなしにまず配属し、現場へ投入して業務を任せていく。仕事のアウトプットから学ぶ、OJT型ですぐにキャッチアップさせます。

もちろん速ければいいというわけではなく、良し悪しがあります。

短期的に考えると、すぐに実践投入した方がすぐに業務に慣れて戦力化が早まります。また入社時の高いモチベーションを退屈な研修で減衰させることなく、業務に入ることができます。

長期的にみて業務の質の担保が難しいです。また基礎をしっかりと固めないと、成長の伸び方が異なります。OJTのみに頼ると、現場のオペレーションは回せますが、頭で考える答えのない業務などに対するスキルはなかなか身につきません。

3つ目の驚き:丁寧さ

仕事の丁寧さも大きな違いがありました。丁寧さは速さとトレードオフな関係にあります。

大企業では速さは劣る分、仕事の丁寧さでは非常に優秀です。時間をかけて丁寧に多くの関係者間のすり合わせをしながら仕事を進めていきます。規模が大きい分失敗のリスクが大きいため、またステークホルダーも多い為、このような仕事の進め方にならざるを得ないと思います。

ベンチャー企業では丁寧さよりも速さを優先するため、基本的に仕事は荒いです。関係者とのすり合わせをすっ飛ばして進めてしまい、後から問題になることも多いです。資料の作り方も荒いです。丁寧に作っている暇があるなら、対応を進めます。多少荒くても良いと言う文化もあり、メンバーが荒いと言うことに気づいていないことも多いです。また1つ目に挙げたフラットさの負の側面としてコミュニケーションの荒さもあります。見方によっては失礼な言動が横行することもあり、取引先とのコミュニケーションにおいてすら荒さが出る場合もあります。

この仕事の進め方によって、身につく力も変わります。大企業では丁寧にコツコツ仕事を進める力がつきます。またその過程で調整力や人を巻き込む力なども培われます。ベンチャー企業キャリアの方はスピード感や当事者意識などが身につく反面、仕事が荒いと言うことを認識する方が良いと思います。

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