【就職&転職】大企業とベンチャー企業の違いは?どっちが良い?|キャリア

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「大企業とベンチャー企業どちらに行くべきか?」これは多くの人の悩みでは無いでしょうか。最近ベンチャー企業の数も増えてきて、規模の大きなメガベンチャーなども増えてきています。ベンチャー企業の給与や福利厚生などの待遇もかなり良くなってきました。また、大企業の働き方も徐々に多様になってきました。

私は大企業とベンチャー企業の両方を経験してきました。新卒で社員が数万人(グループ企業含めるとグローバルで数十万人規模)の典型的な大企業に入社をしました。数年後に社員が数十人のベンチャー企業へ転職して飛び込んでいきました。大企業社員の時は100年以上の歴史を持っていた企業でしたが、転職先は設立から数年。年老いた環境から赤ちゃんのような組織への転換で、それはもうベンジャミン・バトンのような数奇な社会人人生です。またいわゆるスタートアップや起業したての企業などのお手伝いなどもしています。

また大企業時代はリクルーター、ベンチャー企業時代では面接官として200名を超える候補者の選考を行ってきました。さまざまな候補者を見てきたし、選考で受かりやすい人、落ちやすい人の傾向も理解ができるようになりました。

そんな私が大企業とベンチャー企業の違い、それぞれの問題点、実体験に基づくエピソードなどを紹介します。また転職の際のキャリアの考え方についても記載しています。皆さんにとってどっちが就職や転職にいいのか考えるヒントをお教えしたいと思います。

大企業、ベンチャー企業キャリアの問題点や課題点

大企業キャリアの問題点

無能な上司に悩まされる

会社の上司は選ぶことができず、上司ガチャのリスクがあります。大企業では役員になるレベルだと圧倒的に優秀な人が多いです。しかし若手メンバーの直属の上司にあたる中間管理職層の人材レベルは低いことが多いです。大企業は年功序列が基本なのでどんな人材でも中間管理職レベルの役職には就くことになります。特に優秀な人材は部長や本部長、執行役員などその上の役職に上がっていきます。しかし無能な人材は中間管理職にとどまることになります。この為大企業では無能な上司が沢山居座ることになります。さらに大企業であれば中間管理職でも1,000万円を超える年収がもらえます。若手からするとなんで無能な上司がそんなに貰えるのだと、不満が溜まります。

私自身も大企業時代の上司は沢山いましたが、ほとんどがイケていない上司でした。この事実が転職をする一つの理由となりました。

遅すぎるスピード感

大企業では組織のレイヤー(層)が幾重にも重なっています。事業部があり、本部があり、部署があり、課や室があり、グループがあり、チームがあり、先輩後輩の関係があり、、と沢山の層があります。

案件の決裁を通すためにはそれぞれの層で承認を得る必要があります。全てがスムーズにいかず、途中で差し戻しを受け、企画案を修正し、また階段を登っていきます。他部署が絡むとさらに根回しやすり合わせの会議が必要です。大きな予算の案件であれば経理部の承認が必要になります。何度も何度も資料を作り直すことになり、時間がどんどん過ぎていきます。

大企業は施策の影響範囲や予算規模が大きいので絶対にミスができない都合上仕方がない事情があります。ベンチャー企業はスピードが命で規模も小さいので、すぐに承認がおりすぐに実行して進めていきます。

配属希望が通らないリスク

大企業の新卒採用は一括採用が多く、入社時点で職種が決まっていないことが普通です。入社後に研修を受けて、配属面談などを通して配属先が発表されます。希望が通ることは私の経験上は半分以下で、まさに配属ガチャです。特に人気の花形部署の枠は限られているので希望が通らない人が沢山出てきます。例えばメーカーだとマーケティングや営業、海外部門などが人気ですが、配属人数は製造部門や経理部門が多く、希望とは全く異なる配属になるリスクがあります。思い描いていた理想のキャリアが配属発表で一気に崩れ落ちることになります。

最近では大企業でも職種別採用を実施する企業が出てきています。就職活動の際は職種別採用の有無は確認する方が良いですね。

ベンチャー企業キャリアの問題点

低い年収

キャリアを考える上で給与などの条件が最も気になる点だと思います。

ベンチャー企業ではやはり給与水準は低いです。ベンチャー企業は基本的に事業成長のために事業投資としてコストを投下し、事業自体は伸びている段階なので売上も大きくありません。会社が儲かっていないので、給与に回るお金も少ないです。ベンチャー企業は赤字状態が多く、黒字化されないとボーナスも出ず、年収が上がりにくいです。

私自身大企業からベンチャー企業へ転職した際、なんと年収は300万円もダウンしました。前職の大企業は給与がかなり高かったことと、転職にあたって職種も変え、後から上げるつもりだったので、希望年収は大きく下げて転職活動を行なっていました。

考えるべき点としては、ベンチャー企業の立ち上げフェーズであれば、ストックオプションをもらい、IPO(上場)で大きなお金が入ってくるチャンスがあります。入社の際にストックオプションがもらえるかどうかは必ず確認をした方が良いです。

ただ、最近ではベンチャー投資環境が整ってきており、投資されたお金をもとに人材獲得へお金がまわることが増えてきています。人材獲得競争も熾烈になり、ベンチャー企業の給与条件も大きく変わってきました。大企業と遜色のないお金がもらえることも増えてきています。ただ、多くの場合大企業よりベンチャーの方が年収は低いと考えるべきです。

ベンチャー企業は人材のレベルがバラバラ

大企業の人材は比較的つぶが揃っており、みんなそこそこ優秀というメリットがあります。しかしベンチャー企業では状況が異なります。ベンチャー企業は成果主義が多いので経営者層やマネージャーには優秀な人もいます。有能で成果を出していれば年齢関係なく役職などに登用されるのでそれを狙った一部尖った優秀な人材もいます。ただし、全社員で見ると能力はバラツキがあります。採用市場では大企業に勝てないので高学歴の人材は少ないです。ポテンシャルに頼る採用になりますが、開花しない人材の方が多いです。

またベンチャー企業は大学生のインターン生を抱えているところが多いです。大学生なのでスキルやマインドは社員に比べて低いです。

そして教育制度やマニュアルなどが整っておらず、業務も仕組み化されていない為、仕事の進め方もバラバラで若手社員の成長が遅くなるリスクもあります。

これらのようにベンチャー企業には優秀ではない人材が多いケースがあります。ベンチャー企業で働く際はその事実を理解しておく必要があります。業務の中でスキルやマインドの低い社員をマネジメントし教育するのが結構大変です。また自分の上司のレベルが低いことも頭痛の種になります。

大企業とベンチャー企業の人事評価って違う?

大企業とベンチャー企業では人事制度の傾向に違いがあります。評価のされ方次第で、あなたの査定や昇進のしやすさなどが変わってくるので、評価されやすいフィールドを選ぶことは重要です。

大企業での人事評価や査定のポイント

大企業では昇給や昇進は入社年次が絶対的で横並びが基本です。入社後の数年はほとんど差がつきません年次を逆転するような昇進は中間管理職以降までレアケースです。部長への昇格可否ぐらいのステージから差が大きくつき始めます。ボーナスでの差も若いうちは数万円レベルというのがほとんどです。つまり大企業ではどんなに優秀だったり、成果を出しても、すぐに給与で大きな差がついたり昇進するということは見込めません。

評価基準が曖昧であることが多いです。事業規模が大きくなると業務が細分化され、一人ひとりの成果が計りづらく、定量的な目標や評価が難しくなります。そのためプロセス評価に依存しやすくなります。評価が定性的になるため、マネージャーによる属人的な評価につながりやすく、社内政治やアピールが重要な素養の一つとなります。

ベンチャー企業での人事評価や査定のポイント

ベンチャー企業では入社年次や年齢よりも成果や能力によって評価されやすいです。そのため若くして大きく、昇給や昇進し、年齢が逆転するケースはよくあります。

またベンチャー企業では成果がわかりやすいので評価の基準が明確であることが多いです。

ベンチャー企業では成果さえ出せば、評価されやすく、またそれによってわかりやすく昇給や昇進というリターンを望むことができます。

以下の記事では私の大企業とベンチャー企業での実体験含めて制度の違いについてまとめています。

大企業だとリストラされない?

従来大企業は安泰とされてきました。財政的に体力があり、歴史ある企業は労働組合もよっぽどの危機にならなければリストラは実施されてきませんでした。

しかし最近大企業でも早期退職などのリストラが増加してきました。DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展により、求められる人材が変わり、事業もスリム化を志向する傾向が増えてきたこともリストラ増加の要因です。最近では富士通が3000人規模の早期退職を実施しました。

「安定しているから大企業」という考え方はリスクを孕んでいます。潰れない、リストラされないと安心していると、急遽リストラにあう可能性もあります。

社員同士の仲や社内恋愛について|大企業とベンチャー企業比較

もちろん企業にもよりますが、大企業でもベンチャー企業でも社内恋愛はよくある話です。しかし社内恋愛の傾向はそれぞれ異なります。

大企業での社内恋愛事情

大企業では同期同士の恋愛が多いです。新卒の新入社員の人数が多く、新人研修の期間も長い為その間に仲が良くなり、恋愛関係に発展することが多いです。研修が終わって配属後も同期の中は良いので付き合うことが多いです。

また実は社内不倫もそこそこあります。ドラマのようですが、不倫関係が会社にばれて左遷や片方が異動するといったケースを聞くこともありました。

ベンチャー企業での社内恋愛事情

ベンチャー企業は比較的若い人材が多く、社内イベントや飲み会も比較的多いです。その関係性の中で社内恋愛に発展することもよくある話です。またインターン生である大学生も多く、インターン生同士や社員とインターン生の恋愛もありました。私の勤務先でも複数組の社内カップルがいました。

 【体験談】大企業からベンチャー企業への転職のリアル

実際に大企業からベンチャー企業へ転職した私の実体験をいくつか紹介したいと思います。

ベンチャー企業転職の後悔したこと

ベンチャー企業に入社して、大企業では考えられなかった問題点に気づくことがありました。その問題点を事前に認識した上で入社する方が良いので、紹介したいと思います。

問題点1:企業の成長性の無さ

ベンチャー企業に対して事業や自らの成長がよくある志望動機の一つです。給与も当初は低いけれども、企業が成長して大きな昇給やストックオプションなどのアップサイドを狙うことが多いです。しかし全てのベンチャー企業が軌道に乗って成長するとは限りません。むしろうまくいかないケースの方が多いのです。途中で成長が止まる、業績が悪化する、赤字が拡大の一途を辿る、事業停止、ネガティブな事業売却などまずいシナリオに陥ることは本当によくあります。このダウンサイドを見ておく必要があります。

問題点2:組織の未熟さ

ベンチャー企業に入社前は、経営者や採用ブランディングで表に立つキラキラした人材を目にして優秀な人が多いというイメージを持つことがあります。しかしベンチャー企業の人材は粒が揃っておらず、必ずしも優秀な人材ばかりではありません。ベースラインとしては大企業より人材の質は劣ると考えるべきです。それら人材と一緒に仕事をすることになります。また組織の制度や仕組みなどがほぼ整っておらず、属人的に業務が遂行されている職場がほとんどです。場当たり的に業務に就いて、やりながら覚えるという状況に直面します。

ベンチャー企業へ転職して驚いたこと

私自身ベンチャー企業へ転職して驚いたことがいくつかありますが、特に驚いた3つのことがあります。

1つ目は組織のフラットさです。もちろん事前に風通しの良さやフラットさは理解しているつもりではありました。ただ、本当に成果主義組織であり、上司と部下で年齢が逆転することはザラにありました。また年上年下関係なく意見をぶつけ合うシーンに最初は戸惑いも覚えました。

2つ目は速さです。これももちろん事前に期待していたことではありましたが、想像を超える速さでした。まず意思決定の速さです。大企業では意思決定に数ヶ月かかることもありました。ベンチャーでは稟議でもSlack(スラック)という社内チャットツール上で一瞬で承認がおりました。早ければ、数分で意思決定がなされるのです。とにかくすぐに決めて行動して、ダメなら軌道修正をするというのがベンチャーならではの戦い方です。また、組織に入ると研修期間はほぼなく、すぐに現場へ投入しOJT型ですぐにキャッチアップして戦力化します。

3つ目は荒さです。速さとのトレードオフですが、早い分仕事の丁寧さが失われます。とにかく速さを優先するので、時間がかかる仕組みかや資料化、振り返りなどがおざなりにされてしまいます。ベンチャー企業の中でこの丁寧さを持った組織は強くなると思います。

大企業やベンチャー企業への転職について

大企業やベンチャー企業への転職を考えている人は多いのではないでしょうか。それぞれへの転職について紹介します。

転職をしたいと思ったら考えるべきこと

転職をしたいと思っている人は沢山います。パーソルキャリア株式会社の転職サービス「doda(デューダ)」の調査によると転職に興味を持っているのは49.5%とほぼ2人に1人が該当するのです。

転職が頭に浮かんだときになんとなく行動するよりも考えるべきプロセスがあります。

ただ嫌だからやめようという思考から一度離れ、キャリアというものを戦略的に考えてみる必要があります。中長期観点でどのようなキャリアを歩むのが良いのかじっくり考える時間をとってみましょう。

また転職する前に現職として実施すべきこともあります。転職に向けてアピールをするのが基本的に原色の内容です。現職で成果を出せば出すほど転職に有利になります。

大企業からベンチャー企業への転職者は優秀?無能?

最近は日本でもベンチャー企業のエコシステムが強化され、給与水準も上がってきており社会的地位が向上してきています。大企業の閉塞感も相まって、大企業からベンチャー企業への転職が増えています。

一般的には大企業の方が優秀な印象があるかもしれませんが、実際大企業出身者はベンチャー企業で成果を出せるのかという疑問が浮かびます。結論としては活躍できるか否かは、相性と転職者の動き方次第ということになります。

大企業とベンチャー企業では求められるスキルが変わります。大企業では調整力や、ミスなく確実の物事を進める力が重要になります。ベンチャー企業では少々失敗しても、スピード感を持って進める力や裁量が大きいので意思決定力などが求められます。

求められる要素にギャップがある為、転職後にうまくアンラーニングして順応することができなければ人材として使い物になりません。また、大企業ではステータスがありましたが、それがなくなるので変なプライドを捨てることができなかったり、若い人材が多く風通しの良い企業カルチャーについていくことができなければすぐに辞めるケースが多いです。

ベンチャー転職のお悩みについて

ベンチャー転職に対してはリスクも多く、悩みや不安は多いと思います。

Q.ベンチャー企業は給料が低い?
Q.ベンチャー企業では成長しづらい?
Q.ベンチャー企業は無能な人が多い?
Q.ベンチャー企業はモテる?モテない?
Q.ベンチャー企業は潰れるリスクやリストラされるリスクが高い?

これらの疑問に対して以下の記事でお答えしています。

ベンチャー転職のヒント

私はベンチャー企業で200名以上の中途採用候補者の選考を担当しました。ベンチャー転職を成功させるには、まず企業のフェーズを理解することが必要です。フェーズによって採用の際にみられる点が変わってくる為です。以下それぞれのフェーズごとでみられる点をまとめています。

  • 立ち上げ期(スタートアップフェーズ)では幹部候補などハイレベルの人材を招き入れることが重要になるので、非常に高いスキルと経験が必要です。ストックオプションなど株式での大きなアップサイドが見込めることもあり、非常に優秀な人材を少数精鋭で囲い込むことが常套手段です。
  • 立ち上げ期以降では組織の拡大に応じて求められる人材の幅が広がります。ただ、大量採用ではないので、限られたポストが空くかどうかの運が重要です。希望の企業のポジションの採用が出ないか定期的にチェックするのが良いでしょう。企業の成長とともに人材としても成長するポテンシャルが重視されます。給与レンジが低い為、経験やスキルが不十分な若手層を採用して育成するケースが多いです。
  • ベンチャー企業はすぐに儲からず、給与もすぐに上がりません。事業的にもハードな期間が続くので高いロイヤリティが求められます。どんな苦しい状況でもすぐに辞めない人材が求められます。

おすすめの転職サイトや転職エージェント

いざ転職をしようとなったときにまずコネ(リファラル採用)などがない限りベンチャー転職の際、転職サイトや転職エージェントを使うのが一般的です。私もベンチャー転職の際はどちらのサービスも複数活用し、最終的には転職サイト経由で面接を受け入社を決めました。転職サービスは人によって目的に適合するか、相性などがあります。最初は複数のサービスを使用してみて最適なサービスを選ぶ方法が良いと考えられます。今回は沢山ある転職サービスを極力網羅出来るよう多くのサービスをまとめました。

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