この記事を見ているということは、退職や転職に少なくとも興味がある方だと思います。
世の中にはあなたのように転職をしたいという思いを持っている人は多いです。パーソルキャリア株式会社の転職サービス「doda(デューダ)」が実施した調査によると転職に興味を持っている人は約半数(49.5%)、転職を決意・検討している人は5人に1人(20.6%)でした。私の周りでも辞めたい、転職したいという人の方が割合としては多いです。
転職などを思い立った時に、何を考えるべきか、どう行動すべきかすぐに答えが出る人は少ないと思います。
大企業からベンチャー企業へ転職をし、転職検討者のキャリアアドバイスを行い、数百人の採用選考を担った私だからこそ伝えたい考え方があるので紹介したいと思います。
キャリアを戦略的に考えられているか
会社を辞めたいというのは、短期的な衝動から始まるものだと思います。その衝動だけで行動をすべきではありません。転職することが本当に解決策になるのか、今の会社ですべきことが他にないのか、適切な転職先や適切な転職タイミングが選定できるのかなど、まずは中長期目線に立ち腰を据えて考える必要があります。
中長期観点でキャリアを考えた際に、今の会社よりも他社へ移った方がより理想に近づくと判断できた場合に転職をするべきです。今の環境や状況が嫌だからという理由だと、転職先が嫌な状況ではない保証はありません。ある会社への在籍はあくまでステップです。ただそれが理想に近づくようなステップになっている必要があります。
逃げの退職理由は嫌われる
会社を辞めたいと思った時には一度履歴書や職務経歴書を書いてみるのがおすすめです。そして採用面接を脳内でシミュレーションするのです。その中で退職理由を自らに問うてみるのです。その理由がネガティブな場合は考え直しましょう。逃げの退職が理由だと、面接で落とされる可能性が一気に上がります。マイナス評価になりやすいのです。これは「困難に直面するとまた当社に来ても逃げるのではないか」という懸念が生じるからです。退職の理由を繕ったり嘘をついても、ある程度面接をしていてわかります。
退職理由が逃げのうちはまだ甘いということです。本当に退職すべきか考え抜いて、退職理由を整理する必要があります。
現職で実施すべきこと
今の会社でのメリットを改めて考えてみましょう。辞めたい思いがあるとネガティブなところに目線が偏ってしまいます。しかしメリットもあるのでは無いでしょうか。辞める前に経験しておくべきことがないか、業務として携わるべきものがないか、話を聞いておくべき人がいないかなどです。
そして組織に課題や不満がある場合は一度は改善に挑戦をした方が良いです。組織課題はどこでもあるので、課題解決に取り組むいいチャンスです。また、面接の中でも課題に直面した時のスタンスや取り組みなどが評価の対象になります。私が面接官をする際に確認するポイントでもあります。
また、面接でアピールできる、誇れるような成果がない場合は、まず成果を作った方がいいです。成果がないとまず採用したいという気持ちにはなりません。
これらのように戦略的にキャリアを捉えると現職で実施しておくべきことがないか考えやすくなります。
また番外編として、転職先が現職よりも社会的信用が無い場合はローンを組むような大型の買い物(家の購入、車の購入)、賃貸の契約などを先に済ませておきましょう。後から信用が足りず購入や契約ができないとなっても遅いのです。
私の転職事例
私は新卒で大企業に就職してから、1年目の新人時代、数ヶ月ある研修中の段階で既に会社を辞めたいと思っていました。大企業のカルチャーが肌に合わなかったのです。しかし配属は希望通り。すぐに辞めてはキャリアに傷が付くとの思いと、この会社で得られることもあるはずだという思いから3年程度は留まる決意をしました。ただ、やはり大企業のカルチャー、仕事の進め方、人間関係などが合わず、辞めたい気持ちは募っていきました。とはいえ、年次を重ねるにつれて徐々に仕事のに楽しさややりがいが出てくるのです。業務の中で退職後のキャリアを見据え、配属や役割分担などで身につけたいスキルをベースに手を上げたり、根回しをしたり、強引にプロジェクトを進めていったりすることで、どんどん希望の業務を任されるようになり必要なスキルを身につけることができてきました。一定区切りがついたところで満を辞して転職活動を開始し、憧れのベンチャー企業へ転職しました。転職の採用選考の中でも、前職の経験があったからこそスルッと内定をもらうことができました。また、ベンチャー企業へ入社後も、前職での経験が役に立ちました。また自分が求めていた新たな業務の中で、スキルが掛け合わされていきました。その追加されたスキルを活かして副業や起業につなげることができてきたのです。
キャリアを戦略的に捉えたことで、とるべき行動が見えてきました。ただすぐに転職に動かず、現職で身につけるべきスキルを習得してから、転職後のキャリアプランも立てた上で転職サイトでエントリーや転職エージェントへの登録を開始したのです。
こんな場合はすぐに会社を辞めるべき
ここまで簡単には辞めない方が良いと書いてきましたが、例外はあります。以下の場合はすぐに辞めた方が良い可能性が高いです。在籍し続けることのリスクが高い為、なるべく早く離れた方が良いです。
・精神的に耐えられる状態ではない
→状況次第ですがまずは速やかに病院などへ行くべきです。
・パワハラ、セクハラなどが度を超えていて組織としても改善の傾向がない
→まずは改善を上司のさらに上のレイヤーや、人事などへ伝達の上改善を要求すべきです。それでも改善が見られなければ、組織としてガバナンスが機能していない危険な組織です。
・在籍している企業や組織や上司が法に触れることを行なっていたり、指示をされている
→早く逃げてください。自分の身を守ってください。
まとめ|戦略的にキャリアのプランを考えましょう
とにかく衝動で会社を辞めるべきではありません。中長期的な視野を持ち戦略的にキャリアを構築できるよう辞めるまでのプロセスを熟考しましょう。その上で辞めた後のキャリアを効果的に築くために準備のアクションをとりましょう。
コメント