私の周りでは大企業からベンチャー起業へ転職する人が増えてきています。大企業とベンチャーでは求められるスキルセット、働き方、評価方法、企業文化などは大きく異なるケースが多いので、通用するのか気になるところでしょう。大企業での経験をいかして成果を出しやすいのか、もしくはその経験は役に立たないのか。実際に見てきた事例を中心に転職後の活躍ぶりを紹介します。
大企業人材はベンチャーで役に立つ?役に立たない?
結論から申し上げると、活躍できるか否かは、相性とその転職者の動き方次第で変わります。当たり前ですが大企業からベンチャーへの転職は様々な場合があるので一括りにすることは不可能です。ただ出来る、出来ないには少なからず法則があります。
それではその理由を考えていきましょう。
大企業とベンチャーでは求められるスキルが異なる
大企業では規模が大きい分、一つのミスが大きな損失につながる可能性があります。若手が数十億円の予算を持っていたり、担当商品の売り上げがグローバルで1,000億円を超えるなんてこともあります。その場合失敗を防ぐ方向に力学が作用します。スピードや挑戦よりも、保守的にマニュアル通りにフローを守って間違いなく進めることが重要になり、評価されます。また関係者も多くなるので調整力も求められます。
ベンチャーでは少々失敗しても軽傷で済むことが多いです。それよりも、大きな成果を上げて業績をジャンプアップさせる必要があります。その為、ミスを防ぐよりも、チャレンジ精神やスピード感、行動量などが求められます。また若いうちから裁量も大きいので意思決定力なども求められます。一つの決定は小さいですが、スピーディーに大量の意思決定をしていく必要があります。
ここに大きなギャップがあり大企業から来た人が成果を出せない罠にハマるケースは多いです。特にスピードや挑戦 or 保守的やミスを防ぐトレードオフにハマりがちなのです。
大企業人材が成果を出せるケース
大企業からの転職者が成果を出せるケースもいくつかパターンが存在します。
大企業では研修や教育制度が整っており、仕事の進め方もOJTで叩き込まれます。また、調整仕事も多く、資料作成能力やプレゼン能力などが鍛えられていることも多いです。ベンチャーは人のベースとなるスキルセットや組織力などが追いついておらず、大企業人材が整えてベースを上げることで一気に組織の力が向上することがあります。
また大企業での人脈を活かせることもメリットとしてあります。ベンチャー企業はセールスや提携などの営業にあたって、会社の信用が低いのでそもそもアポ取りが難しいです。大企業時代のコネクションや看板を使うことで、一気にアポをとって商談まで結びつけることができれば成果が出てきます。
このように求められるスキルと自身のスキルの違いを理解し、アジャストしつつ、自分ならではの強みを活かすことができれば大企業人材がベンチャー企業で活躍する余地は大いにあると考えられます。
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