私は数年前に大企業からベンチャー企業へ転職をしました。
転職前の企業は社員数が数万人規模、グループ含めるとグローバルで数十万人規模の典型的な大企業でした。転職先の企業は、エグジット(上場やM&A)前で社員数が数十名程度のベンチャー企業でした。
転職自体は総じて良かったと思っています。ただ後悔した事が3つあったので、紹介したいと思います。転職という決断にはメリットだけではなくデメリットも存在します。事前にそのデメリットの課題感を把握する事で、許容できるか判断した上で覚悟を決めることができます。ベンチャー企業への転職で失敗したくない方、大企業を辞めていいか悩んでいる方などはぜひ参考にしてみてくださいね。
大企業からベンチャー企業へ転職して後悔したことは3つ
1つ目のベンチャー後悔は「待遇」
私の場合、転職の際に年収が数百万円ダウンしました。転職の際に必要なお金を計算し、十分な給与のラインを定めた上で転職活動を行いました。給与交渉でもそのラインは譲らず、要求は通りました。ただ、やはり給与水準が大きく異なるので年収ダウン前提でのラインを引いていたため、年収数百万円下げました。
ベンチャー企業の方が給与が上がるスピードは早く、私の場合もどんどん上がっていきました。最終的に副業も含めてですが、大企業で働いていた場合にもらえる金額を超えることはできました。
ただ、そこにたどり着くまでは数年を要します。その間は年収が下がるデメリットがあります。
また福利厚生にも差が生じます。最近のベンチャー企業でも比較的、人材獲得競争の為福利厚生を充実させていることが多くなってきました。ただ、総合的に考えると大企業の方が福利厚生は充実していたと言えます。

2つ目のベンチャー後悔は「人材」
大企業とベンチャー企業では人材の層が大きく異なります。大企業勤務時代は、同僚がそこまで優秀と感じていませんでした。特に上司などマネージャーは頼りなく、仕事ができない人が多いと思っていました。
しかし大企業を出てベンチャー企業での実態と比較してみると、大企業の人材はある程度粒が揃っていて、優秀な人が多かったと感じます。
まず大企業では入社の段階で基本的には学歴フィルターが入っており、多くの就活生の中から選別された人材が入社します。ベンチャー企業で採用も行っていますが、正直有名大学から応募する学生の比率は圧倒的に低いでし、採用選考の競争率も圧倒的に低いです。
入社後の研修や育成でも差がでます。大企業では新卒研修で一定のレベルまで新卒社員を一律育てます。また配属後もある程度育成フローが整っており、着実に学習をしていきます。ベンチャー企業では良くも悪くもすぐに職場へ突っ込んでとにかくOJTで人を育てます。ほぼ業務のみを通じて、また個人の向上心に任せ自力で学び、人材が育成されます。実務スキルの習得はベンチャー企業の方が早いですが、基礎的なビジネススキルや根本的な課題解決力、抽象的な事柄を扱う能力などは大企業人材の方が秀でていると思います。
ベンチャー企業では突き抜けて優秀な人もいるのですが、稀な人材です。私がベンチャー企業へ転職した後は、人材育成などで悩むことが多かったです。また同僚とも同じ目線で戦略などを語ることが困難なケースも多くありました。
3つ目のベンチャー後悔は「ステータス」
これは私にとってはかなり小さな後悔でした。ステータスが落ちるということは覚悟していました。またここでいうステータスとは社会的地位であり、実利面、心理面の両方あります。
実利面については、ローンが組めなくなるなどの影響があります。賃貸で家を借りる際にも大企業勤務だった頃は、勤務先の信頼性が役に立ちました。本来は賃貸保証会社(家賃保証会社)を利用する必要がありましたが、勤務先から判断し、不要で良いとの許可を得ました。利用する場合保証料が必要ですが、パスすることができました。また、私はベンチャー企業へ転職してからマンションを購入しましたが、大企業勤務の際と比べて限度額が落ちました。これはもちろん1つ目の給与も関連しますが、給与をもらっている企業の社会的地位や信頼も影響します。
心理面では、私の場合は大きなデメリットはなかったです。どこに勤めているかで、周りからの見られ方が異なるのでプライドが高い人は気にするケースが多いと思います。私は他人の目は気にならないタイプなので問題ではありませんでした。ただ、勤務先や仕事についての会話の中で、誰もが知っている大企業だと話が早く、認知度が低いベンチャーだと説明が少し面倒だというのはありました。
ベンチャー転職の際は先に後悔しそうな点を潰そう
私が後悔した3点は特に大手から中小への転職の際に生じるものです。スタートアップやベンチャー企業へ転職する場合は覚悟を決めてから、進めましょう。また後悔しそうな点は事前に検討がつくものだと思います。転職してからでは遅いので、事前にそれらの点を考慮の上で決断することをおすすめします。
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