スタートアップ企業/ベンチャー企業での勤務経験を持った大企業社員は強い
大企業、スタートアップ企業それぞれ勤務経験のメリットでメリットはあります。それぞれ求められるスキルや働き方が異なるので、身につく能力などは変わってきます。両者のいいとこ取りができるととても価値のある人材になることができますね。
東芝が社員をスタートアップへ出向させる制度開始
東芝が2021年度から社員をスタートアップ企業へ1年間出向させる制度を導入するとのことです。特に経営幹部候補者などを対象に、スタートアップ企業へ出向させて実際に業務にあたるそうです。特に新規事業や資金調達などを担当などを想定している。2021年度は数人程度の出向の予定だが将来的には数十人へ規模を拡大させるようだ。
東芝はこの「社外留職制度」導入にあたり企業の間で人材の出向などを仲介するローンディールという企業と組む。ローンディールが契約しているスタートアップ企業へ東芝の社員を出向させる。
この「社外留職業制度」ではスタートアップ企業だけでなく、官公庁や大手・中堅企業など幅広い企業規模、業種業態を視野に入れている。
留職という言葉はあまり聞き馴染みのない言葉ですが、恐らく留学+職業の意味でしょう。
大企業にとっての留職制度のメリットデメリット
大企業にとってのメリットやデメリットをまとめてみます。
■メリット
- スタートアップのスピード感や様々なタスクをこなす力を持つ能力値の高いハイブリッド社員を育成できる
- 大企業では経験しづらい業務経験を積ませることができる(新規事業など)
- スタートアップ企業の良い文化や企業風土、制度などを大企業に輸入することができる
■デメリット
- 出向期間中優秀な社員の欠員が生じる
- 優秀な社員がスタートアップ企業などへ転職など人材流出のリスク(スタートアップの仕事の面白さ、自らの適性、大企業の負の側面などに気付き行動に移す可能性)
受け入れるスタートアップ企業にとってのメリットデメリット
受け入れるスタートアップ企業にとってのメリットやデメリットをまとめてみます。
■メリット
- 受け入れ側でも大企業の仕事の進め方などを学ぶことができる
- 大企業とのパイプができる、大企業との取引につなげられる
■デメリット
- 即戦力ではない社員を抱える可能性あり(スタートアップでの業務に向かない社員が出向してくる場合)
- 契約内容次第だが通常のスタートアップ社員より高コストを抱える可能性あり
今後大企業の中でスタートアップへの留職制度は広がるか
このような大企業からスタートアップへ業務経験を目的とした出向制度は増えると思います。
特に最近では大企業がコーポレートベンチャーキャピタル(事業会社がベンチャー企業などへ戦略目的で投資を行うこと)の設立が増え、ベンチャーへの投資が増えています。その資本関係にある企業同士だと出向などの実施を行いやすくなります。また資本提携先間でのシナジー創出などの観点でも、このような出向制度はありうると思います。またその場合逆にスタートアップ企業から大企業へ出向させ、経験を積ませるケースもありえると思います。
今後大企業、スタートアップ企業双方の経験を積んだハイブリッド社員が増え、活躍することを期待したいですね。
コメント