企業によるエイプリルフールのネタはもう飽きた?炎上リスクも – 2019年マイクロソフトでは禁止令

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毎年4月1日は各企業でエイプリルフール(April fool’s day)の嘘ネタをPRに活用する例がかなり一般的となっている。初めはIT企業を中心に広がっていったが、徐々に大企業も流れに乗っかっている。最近ではYoutuberたちも便乗している。

エイプリルフール専用の特別ページ(LP)を用意して、企画やデザインも作り込むケースも出てきている。

過去には企画が大当たりした例もあります。例えばグーグル(Google)が2014年に仕掛けた企画。グーグルマップ上にポケモンが現れるというもの。この企画が大ヒットし、当時Googleのナイアンティックラボ(IngressというGoogleマップを活用した陣取り合戦ゲーム)の川島優志氏やCEOのジョン・ハンケ氏が目を付け、ポケモンGOが生まれました。

しかし最近ではエイプリルフールネタが当たり前になってきています。ネタが被るケースも出てきており、新鮮味もなくなってきました。

本来ただの嘘企画に、企業が本気で取り組むギャップに面白みがありました。しかしそれが当たり前になると、「ああ、今年も頑張っているんだな」と見てしまいます。そしてその裏にある社員たちの苦悩や苦労が透けて見えてきてしまう人もいると思います。現在私のつとめるITベンチャー企業でも企画立案から制作などは毎年の恒例行事化しています。企画担当者はなかなか苦労しながらネタを考えています。いろんな企業でやっているので担当したことのある人も結構いるのではないでしょうか。

そうなってくると、ただの企業活動の一つになりギャップはなくなります。面白くてバズらないと、費用対効果は厳しいですし、イメージは逆効果にもなり得ます。

マイクロソフト(Microsoft)ではCMO(チーフマーケティングオフィサー)のクリス・カポセラ氏から従業員へエイプリルフールのいたずらネタ禁止令が出されたそうです。データで見るとメリットよりデメリットの方が多く、特に欧米でのGAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)と呼ばれるITジャイアントへの風当たりの厳しさからも、公の場でのネタは控えるべきとのお達しだったそうです。かなり正しいリスクマネジメントだと思います。

嘘の方向性を見誤ると企業への批判が集中して炎上するケースもあります。また上記のように滑ってしまうと、企業イメージはマイナス効果しかありません。

結果的に炎上や滑るリスク、ダウンサイドがある中で、アップサイドは少なくなってくると費用対効果的にはおいしい企画ではなくなります。時流を読むのが得意な企業から撤退していく可能性があります。

しかし……

私はそれでもポケモンGOのようなセンスの良いネタも少し期待はしています。2019年のエイプリルフールネタはどんな企業がどんなネタを仕掛けてくるか楽しみに待ちましょう。

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